【歴史的仮名遣いを現代仮名遣いにする】


古文には、現代とかなづかいや言葉の使い方が違うものがあります。この現代と異なるかなづかいのことを歴史的仮名遣いといいます。
例えば現代では「今日」を「きょう」と発音し、「きょう」と書きます。
それに対し古文では「けふ」と発音し、「けふ」と書いていました。

古文の入試で絶対にマスターしておかなければいかないのが、この歴史的仮名遣いを現代仮名遣いにできるようにすることです。
公立高校の入試では「必ず出題される!」といってもいいくらい、よく出題されています。
覚えてしまうと簡単なので確実にものにしておきましょう。
他の受験生もこれはあまり落とさないので、しっかりとマスターしておかないと差をつけられちゃいますよ。







【歴史的かなづかいの読み方】


特に@〜Bは重要なので必ず覚えておきましょう。

@語の途中や最後の「は・ひ・ふ・へ・ほ」は「わ・い・う・え・お」と読む!
  (例) 「あはれ」→「あわれ」(哀れ)
     「かほ」→「かお」(顔)

A「ゐ・ゑ・を」は「い・え・お」と読む!
  (例) 「ゐど」→「いど」(井戸)
     「ゑんりょ」→「えんりょ」(遠慮)

B「ぢ・づ」は「じ・ず」と読む!
  (例) 「ぢめん」→「じめん」(地面)
     「づめん」→「ずめん」(図面)

C「くゎ・ぐゎ」は「か・が」と読む!
  (例) 「くゎじ」→「かじ」(火事)
     「ぐゎんたん」→「がんたん」(元旦)

D二重母音の読み方!
  アウ・アフ→おう  (例) 「あふぎ」→「おうぎ」(扇)
  イウ・イフ→ゆう  (例) 「いうげん」→「ゆうげん」(幽玄)
  エウ・エフ→よう  (例) 「せうと」→「しょうと」(兄人)

【練習 10問】

次の歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに直してみましょう。




1.
あぢ

あじ (味)
2.
ゐど

いど (井戸)
3.
おほかた

おおかた (大方)
4.
かをり

かおり (香り)
5.
けふ

きょう (今日)
6.
こゑ

こえ (声)
7.
はづれ

はずれ (外れ)
8.
まうす

もうす (申す)
9.
やう

よう (様)
10.
わらふ

わらう (笑う)



【入試問題に挑戦 30問】

次の赤字になっている歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに直してみましょう。




1.
さやうの事に心得たる者にさうらふ。

さようの
2.
水気温すいきあたたかなるゆゑ雪の少し消ゆる処もあり。

ゆえ
3.
たがひに語り出だしてそしる。

たがいに
4.
いとけなき時より常の人にはかはりたまひて利根発明りこんはつめいなりけるとかや。

かわりたまいて
5.
これを聞きていはく、「もし実字(漢字)に書かば、誰人たれひとかこれを読まむや。」

いわく
6.
幼き心にて、かやうの心づけ、古今ここんまれなり。

かよう
7.
池のみぎはにさぎゐたりける

いたりける
8.
年へけるが、つゐに上なき上手となりたり。

ついに
9.
小刀して切りまはしつつ、張られければ、

切りまわし
10.
初瀬はせ(奈良県の長谷寺)にまうでて、いとはかなき家にとまりたり。

もうでて
11.
「これはいかに。」といひける

いいける
12.
あれがやうにいつの世にあらむとおぼゆれ。

ように
あらん
13.
「いかでか三毒なからむ。」と言へば、「すべていささかも腹立ふくりふせず。」と言ふ。

いえば
14.
わざはひをも招く。

わざわい
15.
春は、あけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは、

ようよう
16.
この花の散るをしう覚えさせ給ふか。

おしゅう
17.
山川の岸に紅葉おほくながれにうつり、

おおく
18.
なにがしの押領使(地方の治安を担当する役人)などいふやうなる者ありける。

いうようなる
19.
福田の橋洪水にあひて流れければ、新しく造りて架けけり。

あいて
20.
猫どのにまゐりあはねば、自然に干死ににまかりなるなり。

まいりあわねば
21.
道の土割るるばかりにかはきて、森のこだち霞こめつつ、

かわきて
22.
その山の鹿は、ゆふべより夜に入れば、山にはまで、

ゆうべ
23.
御使ひかへりまゐりて、この由をありのままにぞ申す。

かえりまいりて
24.
親どり、何やら口にくはへて、巣の口に出づれば、

くわえて
25.
これを、我も使ひつつ、世を渡る便りにしけるほどに、

つかいつつ
26.
の三人、極めてまずし。かたらひていはく、「が家を売りて他国に移住せむ。」と。

かたらいていわく
27.
孔子、道を行きたまふに、八つばかりなるわらはあひぬ

あいぬ
28.
自らいふにいはれぬ所のあぢはひがあるなり。

あじわい
29.
言をすくなうしてまじはりをえらぶ時は、

すくのう
30.
程もなくふるふこゑささげてよみあぐ。

ふるうこえ




↑ページトップへ戻る