解説

2章 文字を用いた式

1.文字式


【1】文字式の表し方
 数の代わりに文字を用いて、いろいろなものを表します。
 例えば、100円のチョコレートを買うとき、
  1個の代金→(100×1)円
  2個の代金→(100×2)円
  3個の代金→(100×3)円
 となります。
 つまり、100円のチョコレートを個買った場合、
  個の代金→100×円となります。
 このように、文字を用いた式を文字式といいます。

[1]文字をふくむ乗法(かけ算)のきまり
①乗法の記号×を省略する。
  〔例〕
    a×b → ab
    3× → 3
    4×(a+b) → 4(a+b)

②数を文字の前に書く。
  〔例〕
    ×2 → 2
    2×a×(−3) → −6a
    ()×2 → 2(

③異なる文字の積はアルファベット順に書く。
  〔例〕
    b×a → ab
    ×× → xyz

④同じ文字の積は指数を用いて書く。
  〔例〕
    × →\(x^2\) 
    a×a×a →\(a^3\) 
    a×a×b×b×b →\(a^2 b^3\) 

⑤1や−1と文字の積は1を省略する。
  〔例〕
    1× →   (1とは書かない)
    −1× → −  (−1とは書かない)

[2]文字をふくむ除法(わり算)のきまり
乗法の記号÷は使わず分数の形で書く。
  〔例〕
    \(a\div 3\)  →\(\dfrac {a} {3}\)
    \(3x\div 4\)  →\(\dfrac {3x} {4}\)
    \(2\div b\)  →\(\dfrac {2} {b}\)
    \(x\div y\)  →\(\dfrac {x} {y}\)
    \(\left(a+b \right)\div c\)  →\(\dfrac {a+b} {c}\)
    \(x\div yz\)  →\(\dfrac {x} {yz}\)

※\(x\div 3=x\times \dfrac {1} {3} =\dfrac {1} {3} x\)  なので、\(\dfrac {x} {3}\)  を\(\dfrac {1} {3} x\)  と書いてもよいです。
 \(5y\div 9=5\times y\times \dfrac {1} {9} =\dfrac {5y} {9}\)  なので、\(\dfrac {5y} {9}\)  を\(\dfrac {5} {9} y\)  と書いてもよいです。
 \(2a\div \left(-3\right)\) は\(\dfrac {2a} {-3}\)  と書いても間違いではありませんが、
  ふつう\(-\dfrac {2} {3} a\)  もしくは\(-\dfrac {2a} {3}\)  と書きます。

【2】項と係数
例えば、\(3x-5y+7\)  という式は
\(3x+\left(-5y\right)+7\)  
と表すことができます。
このとき、+で結ばれているひとつひとつをといいます。
上の式だと\(3x\)  、\(-5y\)  、\(7\)  が項です。
項は数だけ文字だけ数と文字の積になっているものがあります。

文字をふくむ項の数の部分をその項の係数といいます。

 〔例〕
\(6x^2-4x+2\)
という式の項と係数は次のようになります。
項… \(6x^2\)  、\(-4x\)  、\(2\)
係数… \(6x^2\)  の係数は6、\(-4x\) の係数は4となります。

【3】式の値
式の中の文字に数を当てはめることを代入だいにゅうするといいます。代入して計算した結果を、その式の値といいます。

 〔例〕
a=−2のとき、次の式の値を求めましょう。
 4a+5
=4×(−2)+5
=−8+5
=−3

   





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