解説
3章 1次方程式
2.1次方程式の応用
【1】方程式を利用した文章題の解法の手順
①問題をよく読み、わからない数量を\(x\) とおく。
②等しい数量の関係をみつけて、方程式を作る。
③方程式を解く。
④方程式の解が問題に適しているか確かめる。
【2】方程式を利用した文章題
方程式を利用した文章問題はおもに以下のようなものがあります。
①数の問題
〔例〕
ある数\(x\) から2をひいた数の3倍は\(x\) になります。このような\(x\) を求めましょう。
〔解答〕
\(x\) から2をひいた数の3倍を式にすると
\(3\left(x-2\right)\) となります。
これが\(x\) と等しくなるので
\(3\left(x-2\right)=x\)
という方程式ができあがります。
この方程式を解くと
\(3\left(x-2\right)=x\)
\(3x-6=x\)
\(3x-x=6\)
\(2x=6\)
\(x=3\)
となります。
②個数と金額の問題
〔例〕
アイスを3個と150円のチョコを1個買ったところ、代金の合計は510円でした。アイス1個の値段はいくらですか。
〔解答〕
求める答えを\(x\) として方程式を作るようにします。
ここではアイス1個の値段が答えになるので、それを\(x\) とします。
アイス3個の代金は
\(3\times x=3x\) (円)
となり、これにチョコの代金150円を加えた代金の合計は、
\(3x+150\) となります。
この代金の合計が510円と等しくなるので、
\(3x+150=510\)
という方程式ができあがります。
この方程式を解くと
\(3x+150=510\)
\(3x=510-150\)
\(3x=360\)
\(x=120\)
答え 120円
③過不足の問題
〔例〕
何人かの子どもにあめを分けるのに、1人5個ずつ分けると7個余り、6個ずつ分けると2個足りませんでした。子どもの人数とあめの個数を求めましょう。
〔解答〕
子どもの人数を\(x\) とすると、
5個ずつ分けるときのあめの個数は\(5x+7\) (個)
6個ずつ分けるときのあめの個数は\(6x-2\) (個)
となります。この式は等しいので、
\(5x+7=6x-2\)
となります。
この方程式を解くと
\(x=9\)
ゆえに子どもの人数は9人となります。
あめの個数は
\(5x+7\) の式に\(x=9\) を代入して
\(5\times 9+7=52\)
答え 子供の人数は9人、あめの個数は52個
④道のり・時間・速さの問題
※道のり・時間・速さの問題を解くポイント
①速さ =\(\dfrac {道のり} {時間} \)
速さ×時間=道のり を使います。
②方程式を立てる場合、単位をそろえる必要があります。
キロメートルとメートルや分と秒などは単位をそろえましょう。
〔例〕
午前8時に家を出発し、2km離れた学校に向かいました。はじめは分速
〔解答〕
速さを変えた時間を8時x分として方程式を立てます。
この問題ではx分を求めるので分速80mや120mにあわせて、2kmを
分速80mで歩いた道のりは\(80x\) [m]
分速120mで歩いた道のりは\(120\left(20-x\right)\) [m]
と表すことができます。
この和が2000mになるので、
\(80x+120\left(20-x\right)=2000\)
\(80x+2400-120x=2000\)
\(40x=2400-2000\)
\(40x=400\)
\(x=10\)
ゆえに求める時刻は8時10分となります。
答え 8時10分
⑤濃度の問題
※濃度の問題を解くポイント
ふたつの食塩水を混ぜたとき、できた食塩水の重さはそれぞれの食塩水の重さの和に等しくなります。またふくまれる食塩の重さも、ふくまれていた食塩の重さの和に等しいです。
〔例〕
8%の食塩水400gに5%の食塩水を混ぜたところ6%の食塩水ができました。5%の食塩水を何g混ぜましたか。
〔解答〕
8%の食塩水400gに含まれる食塩の重さは、
\(400\times \dfrac {8} {100} =32\) [g]……①
5%の食塩水を\(x\) g混ぜたとすると、その中に含まれる食塩の重さは、
\(x\times \dfrac {5} {100} =\dfrac {1} {20} x\) [g]……②
このとき、混ぜてできた食塩水の重さは\(\left(400+x\right)\) gとなり、その濃度は6%なので、含まれる食塩の重さは、
\(\left(400+x\right)\times \dfrac {6} {100} =\dfrac {3\left(400+x\right)} {50} \) ……③
①と②の和が③に等しいので、
\(32+\dfrac {1} {20} x=\dfrac {3\left(400+x\right)} {50} \)
両辺に100をかけて、
\(3200+5x=6\left(400+x\right)\)
\(3200+5x=2400+6x\)
\(x=800\)
答え 800g
⑥平均の問題
※平均の問題を解くポイント
平均点 =\(\dfrac {合計点数} {人数} \)
平均点 × 人数= 合計点数
を使います。
〔例〕
数学のテストで、A組の男子20人の平均点は、女子18人の平均点より3.8点高く、A組全員の平均点は67点でした。女子18人の平均点は何点ですか。
〔解答〕
女子のテストの平均点を\(x\) 点とすると、
男子のテストの平均点は\(\left(x+3.8\right)\) 点となるので、
女子の合計点は\(\left(x\times 18\right)\) 点……①
男子の合計点は\(\{\left(x+3.8\right)\times 20\}\) 点……②
となります。
①と②の和がA組の合計点と等しいので、
\(x\times 18+\left(x+3.8\right)\times 20=67\times \left(20+18\right)\)
となります。
この方程式を解くと、
\(18x+20x+76=2546\)
\(38x=2470\)
\(x=65\)
答え 女子の平均点は65点
⑦年齢の問題
〔例〕
現在、父親の年齢は39歳、子どもの年齢は11歳です。父親の年齢が子どもの年齢の3倍なのはいつですか。
〔解答〕
\(x\) 年後に父親の年齢が子どもの年齢の3倍であるとします。
\(x\) 年後の父親の年齢は\(\left(39+x\right)\) 歳、
子どもの年齢は\(\left(11+x\right)\) 歳なので、
\(39+x=3\left(11+x\right)\) となります。
この方程式を解くと、
\(39+x=33+3x\)
\(2x=6\)
\(x=3\)
答え 3年後