解説

中学2年 2章 連立方程式

1.連立方程式の解き方


【1】連立方程式とその解
たとえば、150円のジュースと120円の缶コーヒーを合わせて7本買ったところ、代金は990円でした。このときジュースと缶コーヒーの本数を求めてみます。
この問題のわからない値はジュースの本数と缶コーヒーの本数です。
そこでジュースの本数を\(x\)  本、 缶コーヒーの本数を\(y\)  本とおいてみます。
飲み物の本数について
\(x+y=7\)  ……①
飲み物の代金について
\(150x+120y=990\)  ……②
という2つの方程式が得られます。
①、②のように、2種類の未知数(文字)をふくむ1次方程式を2元1次方程式といいます。
そして2つの方程式を組にして、
\(x+y=7\)  ……①
\(150x+120y=990\)  ……②
として、①と②を同時に成り立たせるの値が、飲み物の本数になります。
このように、2つの方程式を組み合わせたものを連立方程式といいます。またそれらの方程式を成り立たせる文字の値の組を、その連立方程式のといい、解を求めることを、その連立方程式を解くといいます。

【2】連立方程式の解き方
連立方程式の解き方は主に代入法加減法があります。問題によって使い分けた方が計算が簡単になるので、両方のやり方をしっかりマスターしてください。

①代入法
2つの式のうち、一方の式を他方の式に代入することによって文字を消去して解く方法が代入法です。
(例1)次の連立方程式を解きましょう。
\(3x+2y=23\)  ……①
\(x+y=10\)  ……②

②を変形して
\(y=10-x\)  ……③
③を①に代入すると
\(3x+2\left( 10-x \right)=23 \)
\(3x+20-2x=23\)
\(x=3\)
これを③に代入して\(y=10-3=7\)
(答)\(x=3\)  ,\(y=7\)

先ほどの飲み物の例題も代入法を利用して解きます。
\(x+y=7\)  ……①
\(150x+120y=990\)  ……②

①を変形して
\(x=7-y\)  ……③
③を①に代入すると
\(150\left( 7-y \right)+120y=990 \)
\(1050-150y+120y=990\)
\(30y=60\)
\(y=2\)
これを③に代入して
\(x=7-2=5\)
(答)ジュース5本,缶コーヒー2本

②加減法
(例1)次の連立方程式を解きましょう。
   3+4=6 ……①
   7+4=−2 ……②

上の連立方程式では、①と②の式のの係数が等しいです。
このような場合は、①と②の両辺をそれぞれひいてを消去し、だけの方程式をつくります。
その方程式を解きの解を求めたら、その値を①または②の式に代入しの値を求めます。

     3+4= 6
   −) 7+4=−2 
    −4   = 8

        =−2 ……③
  ③を①に代入して、
  3×(−2)+4=6
  4y=12
  =3
  (答)=−2,=3

上記が加減法の解き方です。別の問題も解いてみましょう。
(例2)次の連立方程式を解きましょう。
   4−2=10 ……①
   6+4=8 ……②

この連立方程式では、①の式の両辺に2をかけると、①の式のの係数と②の式のの係数の絶対値が等しくなります。

     8−4=20 ……①×2
   +) 6+4= 8 
    14   =28

        =2 ……③
  ③を①に代入して、
  2×2−=5
  =−1
  (答)=2,=−1

このように、どちらかの文字の係数の絶対値をそろえ、左辺どうし右辺どうしを足したりひいたりして、その文字を消去して解く方法が加減法です。

【3】いろいろな連立方程式
係数に分数や小数を含む連立方程式は、係数を整数になるよう変形してから解くと計算が簡単になります。
また、かっこを含む連立方程式はかっこをはずしてから計算するようにします。

(例1)次の連立方程式を解きましょう。
   0.1+0.2=0.8 ……①
   0.2−0.3=0.9 ……②

   ①と②の両辺に10をかけます
   +2=8 ……③
   2−3=9 ……④

   ③を変形して =8−2 ……⑤
   ⑤を④に代入すると
   2(8−2)−3=9
   16−4−3=9
   7=7
   =1 ……⑥
   ⑥を⑤に代入して
   =8−2×1=6
   (答)=6,=1

(例2)次の連立方程式を解きましょう。
     1   4    2   3  =−1 ……①
   3+2=6 ……②

   ①×12より 3+8=−12 ……③

   ③−②
     3+8=−12
   −) 3+2=   6 
        6=−18

        =−3 ……④
  ④を②に代入して、
  3+2×(−3)=6
  =4
  (答)=4,=−3

(例3)次の連立方程式を解きましょう。
   4()−7=−25 ……①
   5−3(−3)=19 ……②

   ①より 4−3=−25 ……③
   ②より 2+9=19 ……④

   ④×2より 4+18=38 ……⑤

   ⑤−③
     4+18= 38
   −) 4− 3=−25 
        21=63

        =3 ……⑥
   ⑥を③に代入して
   4−3×3=−25
   4=−16
   =−4
  (答)=−4,=3

【4】A=B=Cの形の方程式
A=B=Cの形の方程式の形の方程式は、A=B、B=C、A=Cの3つの方程式が成り立ちます。
このうち2つを連立して、方程式を解いていきます。
どの組み合わせを利用してもいいので計算がなるべく簡単になる組み合わせを選びます。

(例1)次の連立方程式を解きましょう。
   +5=3+2−1=2−3−6

   +5=3+2−1 ……①
   3+2−1=2−3−6 ……②

   ①より =3 ……③
   ②より +5=−5 ……④

   ④−③
     + = 3
   −) +5=−5 
      −4=8

   =−2 ……⑤

   ⑤を③に代入して
   +(−2)=3
   =5
  (答)=5,=−2

【5】連立3元1次方程式
   2=7 ……①
   =2 ……②
   +4=6 ……③
のように、3種類の未知数を含む連立方程式を連立3元1次方程式といいます。解き方は連立2元1次方程式と同じように代入法加減法を利用して文字を一つ消去し、連立2元1次方程式にして解いていきます。
上の例題では
①−②でを消去し、
   +2=5 ……④
②+③でを消去し、
   2+3=8 ……⑤

④×2−⑤
     2+4=10
   −) 2+3= 8 
        =2 ……⑥

⑥を④に代入して
   +2×2=5
   =1 ……⑦
⑥と⑦を①に代入して
   2×1+2+=7
   =3
  (答)=1,=2,=3

【6】比の等式を含む連立方程式
(例1)次の連立方程式を解きましょう。
   (−2):(+3)=3:2 ……①
   3+5=10 ……②
例1のように比の等式を含む連立方程式は、比の性質を用いて、普通の等式にしてから計算します。
   ※比の性質
   a:b=c:d のとき ad=bc

例1では①を比の性質を利用して等式に直します。
   2(−2)=3(+3)
   2−3=13 ……③

②×2より
   6+10=20 ……④
③×3より
   6−9=39 ……⑤
④−⑤より
     6+10=20
   −) 6− 9=39 
        19=−19

   =−1 ……⑥
   ⑥を③に代入して
   2−3×(−1)=13
   =5
  (答)=5,=−1

   





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