解説

中学2年 2章 連立方程式

2.連立方程式の利用


【1】連立方程式を利用した文章題の解法の手順
未知の値を2つ含む文章題を、連立方程式を利用して解いていきます。
文章題を考える手順は、1次方程式の文章題のときと同じです。

①問題をよく読み、わからない数量を\(x\)  ,\(y\)  などとおく。
②等しい数量の関係をみつけて、方程式を作る。
③方程式を解く。
④方程式の解が問題に適しているか確かめる。

【2】数の問題
 〔例〕
2けたの自然数Nがあります。Nの十の位の数と一の位の数の和は13で、Nの十の位の数字と一の位の数字を入れかえてできる自然数は、Nより27大きいです。自然数Nを求めましょう。

 〔解答〕
Nの十の位の数を\(x\)  ,一の位の数を\(y\)  とします。
Nの十の位の数と一の位の数の和は13なので、
\(x+y=13\)  ……①

また、Nは\(10x+y\)  と表すことができ、Nの十の位の数字と一の位の数字をいれかえてできた自然数は、\(10y+x\)  と表すことができます。
この値がNより27大きいので、
\(10y+x=\left( 10x+y \right)+27 \)
\(9y=9x+27\)
\(y=x+3\)  ……②

②を①に代入して
\(x+\left( x+3 \right)=13 \)
\(2x=10\)
\(x=5\)  ……③
③を②に代入して
\(y=5+3=8\)

(答)58

【3】個数と代金の問題
 〔例〕
1個180円のチョコと1個150円のアイスを、合わせて15個買いにお店に行きました。ところが、チョコとアイスの個数を取り違えてしまい、予定の金額より90円高くなってしまいました。最初チョコとアイスをそれぞれ何個ずつ買おうとしていましたか。

 〔解答〕
最初に買おうとしていたチョコを\(x\) 個、 アイスを\(y\) 個とします。
\(x+y=15\)  ……①
\(180y+150x=\left( 180x+150y \right)+90 \)  ……②

②より
\(-30x+30y=90\)  ……③
③を30で割り
\(-x+y=3\)  ……④
①に④を代入して
\(x+\left( 3+x \right)=15 \)
\(2x=12\)
\(x=6\)  ……⑤
⑤に①を代入して
\(6+y=15\)
\(y=9\)

(答)チョコ6個,アイス9個

【4】道のり・時間・速さの問題
 〔例〕
A地点から16km離れたC地点まで行くのに、途中のB地点までは時速3kmで歩き、B地点からC地点までは時速4kmで歩いたところ、4時間30分かかりました。A地点からB地点までの道のりと、B地点からC地点までの道のりをそれぞれ求めましょう。

 〔解答〕
AからBの道のりを\(x\) km、 BからCの道のりを\(y\) kmとすると
 \(x+y=16\)  ……①
\(\dfrac {x} {3} +\dfrac {y} {4} =4+\dfrac {30} {60} \)  ……②

②より
\(4x+3y=54\)  ……③
③−①×3より
\(x=6\)  ……④
①に④を代入して
\(y=10\)

(答)AからBの道のりは6km,BからCの道のりは10km

【5】割合の問題
 〔例〕
8%の食塩水と15%の食塩水を混ぜ合わせて、10%の食塩水を700g作ります。2種類の食塩水を、それぞれ何gずつ混ぜ合わせればいいでしょうか。

 〔解答〕
8%の食塩水を\(x\) g、15%の食塩水を\(y\) gとすると
 \(x+y=700\)  ……①
\(\dfrac {8} {100} x+\dfrac {15} {100} y=700\times \dfrac {10} {100} \)  ……②

②より
\(8x+15y=7000\)  ……③
①を③に代入して
\(8x+15\left( 700-x \right)=7000 \)
\(8x+10500-15x=7000\)
\(7x=3500\)
\(x=500\)  ……④
④を①に代入して
\(500+y=700\)
\(y=200\)

(答)8%の食塩水が500g, 15%の食塩水が200g

   





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