【合格のポイント】





【合格のポイント1】
読み方がわからない熟語が出題された場合

漢字の約9割は形声文字です。形声文字とは、意味と音を表す漢字です。
(例)
【晴】の「日」が意味、「青」が音(読み方)「セイ」を表す。
【姉】の「女」が意味、「市」が音(読み方)「シ」を表す。
【銅】の「金」が意味、「同」が音(読み方)「シ」を表す。
【花】の「クサカンムリ」が意味、「化」が音(読み方)「カ」を表す。
【持】の「テヘン」が意味、寺が音(読み方)「ジ」を表す。

漢字の約9割が形声文字ということは、漢字の読み方がわからないとき、漢字のうち、「音」を表す部分を読んでおけば、9割の確率で正解になるということです。

通常、部首の部分が「意味」を表すので、読み方がわからない漢字が出てきたら、部首の部分でないほうをそのまま読めば、その漢字の読み方として正解である確率が高いということになります。

また、そのとき、部首ではない部分の読み方を推測するのに、部首はちがうが部首以外の部分は同じである漢字を思いうかべると大体あたります。

例えば、ほとんどの方が知らないであろう熟語で「牴牾」が読み方で出題されたとします。
まず意味を表すことが多い部首は無視し、部首以外の部分を読んでみます。
「牴」の部首が違う漢字を考えてみると、高低の「低」や抵抗の「抵」が思いつくので、「牴」は「テイ」と読んでみます。
「牾」の部首が違う漢字を考えてみると、単語の「語」や誤字の「誤」が思いつくので、「牾」は「ゴ」と読んでみます。
以上より、「牴牾」という熟語自体は知らなくても、「牴牾」の読みは「テイゴ」と想像できます。

同じように、ほとんどの方が知らないであろう熟語で「窈窕」が読み方で出題されたとします。
まず意味を表すことが多い部首は無視し、部首以外の部分を読んでみます。
「窈」の部首が違う漢字を考えてみると、幼児の「幼」が思いつくので、「窈」は「ヨウ」と読んでみます。
「窕」の部首が違う漢字を考えてみると、挑戦の「挑」や眺望の「眺」が思いつくので、「窕」は「チョウ」と読んでみます。
以上より、「窈窕」という熟語自体は知らなくても、「窈窕」の読みは「ヨウチョウ」と想像できます。

このように読めない熟語が出題されても、あきらめずに当たる確率の高い解答を解答用紙に書いておきましょう。



【合格のポイント2】
漢字を書くとき気を付けること

漢字は、小学校に入学したときから時間をかけて習ってきたものです。
だから、はねないで書く字か、はねないといけない字か、漢字ごとに覚えるのは、小学校の高学年にもなると量も多く、時間もかかりすぎ、非現実的です。

また、最近の子どもたちは、早くからシャープペンを使うこともあり、筆圧が弱く、文字を流し書きしてしまう子がほとんどです。
だから、はねない漢字なのに、はねてしまっているという間違いは、まずありません。
ほとんどの漢字を、はねないで書く人のほうが圧倒的に多いです。

ですから、「はねるかはねないか迷ったら全部はねる!!」、もっと極端に「漢字の最後ははねるのが原則と思う!!」
これでも「やり過ぎ」ということはないです。

漢字の最後は、迷ったらはねるという癖をつけておきましょう。

それからこちらは漢検ではなく、中学や高校の受験生へのアドバイスです。
漢検はもちろん、入試でも【トメ・ハネ】は重要なポイントです。
漢字の書き取り問題は当然ですが、作文などでもかなりチェックされています。
作文などの採点では、あまり知られてませんが、筆圧の強さ、字の丁寧さ(字を丁寧に書いているかどうかは筆圧で判断されます)は、重要な採点のチェックポイントです。
漢検は落ちても次回がありますが、受験は一回勝負です。
1点が重要なテストで漢字のハネなどで減点されないよう、普段からハネやトメを含め、文字を最後まではっきりと書く癖をつけておきましょう。




【合格のポイント3】
間違えやすい漢字の一覧


漢字注意点
綿密「綿」はハネの部分、密は「心」と違って「必」。
演奏「演」は寅の部分、「奏」は天ではない
看護「看」の字の横棒の部分を書き誤りやすい。
郵便「郵」の「垂」の部分の横棒の数、「便」は「使」と違ってつき出さない。
展覧「展」の下は「表」と違う、「覧」の下は「貝」ではない。
秘密「秘」も「密」も「必」。
届く・汽笛・描写・描く「届く」と「笛」は上が突き出る「由」、くさかんむりの「描く」や「猫」は「田」。
捜査・捜索「捜」は上も下も突き出る。
散策・刺激・刺す・約束「束」だけ下の横棒あり。
容易・貿易「易」は「場」と違って横棒なし。
清潔「潔」の字の左上は突き出て、右上は「刀」。
朗らか・明朗「郎」ではない。
拝む横棒は4本。
豊富「豊」は「豆」、「富」は「冨」ではない。
記録「録」の右側は「緑」と同じで、「縁」とは違う。
印刷「印」の字も「刷」の字も書き誤りやすい。
衣装・装備「装」の上は「土」ではなくて「士」。
地域「域」の下は横棒あり。
確認「確」の斜めの棒は上から書き下ろす。
破壊「破」の「皮」、「壊」の右下は「衣」。
勤務・難しい「勤」は横棒が3本、「難」は横棒2本。
混雑・批判・背中「比」と「北」の違い。
宣言・宣伝・時宜「宣」は「宜」と違う。
準備「準」も「備」も書き誤りやすい。
単純・鈍感・委託・住宅「ジュン」・「ドン」は「屯」、「タク」と区別する。
瞬間「瞬」のかんむりの中を書き誤りやすい。
福祉「福」も「祉」もころもへんではなくてしめすへん。
大衆・公衆「衆」の下の部分。
針小棒大「針」の右は「十」、「棒」の右下は横棒2本。
原稿「稿」はのぎへん、きへんと誤りやすい。
節減・権威「減」と「威」の横棒。
就職・就任「就」の右側の字体とハネ。
故郷・郷里・影響「郷」の左に部分と、中の部分は上に点なし。
温厚「厚」は「原」と違って縦棒なし。
矛盾・予備ムは「矛」、ヨは「予」。
分析セキは「折」ではない。
冒険・帽子「冒」は上が日で下が目。
懸命「懸」は「糸」ではなくて「系」。
繊維・繊細「繊」の横棒は右端まで伸びる。
掲載「掲」の中に気をつける。
妥協「妥」の字の上の部分。


【合格のポイント4】
他の漢字と間違えやすいためよく出題される漢字

漢字注意点
専門博士の「博」と違ってテンをうたない、訪問の「問」と違ってクチを入れない。
臨む「望む」と書き間違いやすい。
機会「機械」や「器械」と使い分けないといけない。
絶対「絶体」と書く誤りが多い。絶体絶命だけ「絶体」。
拾う・捨てるどっちがどっちだったか間違える人が多い。
補う・捕る部首の意味を考えて書き分ける。
招待・紹介「招く」ほうがてへん。
成績・功績・実績・業績「積」と書き間違えやすい。「成績」の意味のときは「績」。
預金・貯金・預ける・貯める「予」がヨ、「丁」がチョ。(国語ではないが銀行預金・郵便貯金と使い分ける。)
存在どちらも「ある」という意味なので困る。
許す・認める・許可・認可微妙に意味も近いので困る。
批評・批判・非難意味も近いが、非難のときが「非」。
暖かい・温かい気温が暖かいのが「暖」、ものが温かいのが「温」。
遺産・派遣「遺」は「のこす」の意味、「遣」は「つかわす」の意味。
熟練「塾」の字を使うのは「学習塾」のときのみ。
興奮・奮起「奮う」と「奪う」を使い分ける。
候補・侯爵にんべんは「侯爵」くらいか。
供える・備える「仏前に花を供える」のときが「供える」。
標識・標準・投票「標」は「しるし」の意味。「票」は紙。
収拾・収集おさまりをつけるのが「収拾」、集めるのが「収集」。
筋道・筋肉・節「すじ」が「筋」、「ふし」が節。
処置・措置「しょち」が処置、「そち」が措置。意味は近い。
裁判・裁量・栽培木を土に栽培するから「栽」に「培」。
器官・機関人体のときが「器官」。
徐行・排除「徐」は「おもむろ」で「ゆっくり」の意味。「除」は取り除くとき。
想像・銅像・印象目に見えたり、頭に浮かんだりする形のあるものが「像」。
機会・機械・器械チャンスの意味のとき「機会」、器械体操のときが「器械」。
軽率・引率・効率「卒」と間違えないようにする。
自慢・慢性・漫画だらだらとゆるむという意味が「慢」、気の向くままの意味が「漫」。
借りる・貸す「拾う・捨てる」と同様に混乱する人が多い。
歓迎・勧誘「よろこぶ」ときが「歓」、「すすめる」ときが「勧」。
穀物・穀倉・殻稲や麦に関係するのが「穀」、体をおおう「から」が「殻」。
微妙・特徴「微」は「わずか」の意味、「徴」は「あらわれる」。
縦断「たて」が「縦」、「したがう」ときが「従」。
典型・類型・模型タイプの意味の「かた」のときが「型」。
鋼鉄・網・綱「はがね」が「鋼」。「あみ」が「網」、「つな」が「綱」。
帰還・環境「かえる」ときが「還」、「まわり」のときが「環」。
内臓・臓器「たくわえる」ときが「蔵」、体の臓器がにくづきの「臓」。
俳優人のときが「俳」、取り除くときが「排」。
功罪功績を表すのが「功」、「罪」と「罰」は対義語なのに混乱する人がある。
幕・墓布を表す部首がはばへんだから「幕」、むかし土だったのが「墓」。
徹底・徹夜・撤退「徹」は「やりとおす」の意味、「撤」は「逃げ去る」の意味。
偶然・待遇「たまたま」が「偶」、「あつかう」の意味のときが「遇」。
抑える・仰ぐ手で「おさえる」から「抑」。人が「あおぎみる」から「仰」。


【合格のポイント5】
ハネやトメをきちんと書き分けないといけないためよく出題される漢字

漢字注意点
専門博士の「博」と違ってテンをうたない、訪問の「問」と違ってクチを入れない。
綿密「綿」はハネの部分、密は「心」と違って「必」。
展覧「展」の下は「表」と違う、「覧」の下は「貝」ではない。
危険「危」の中の部分はともにはねる。
判断「判」の左の縦棒はまっすぐおろす。
体勢・姿勢「勢」の「丸」と「力」の最後ははねる。
包装「包」の最後ははねる。
縦棒を左に曲げる珍しい例。
指揮てへんの最後ははねる。
演劇「劇」の左の部分の2ヶ所のハネ。
虚像「虚」は「劇」と同じはねかたをする。
憂慮・遠慮「慮」のはねかたも「劇」や「虚」と同じ。
究極あなかんむりの最後と「九」の最後ははねる。
依存「衣」の左におろした部分の最後ははねる。
境界・反射鏡「竟」の最後ははねる。



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